この記事は音MAD Advent Calendar 2022 in Summerの六日目の記事です!!!!!
なんと今日以降全部空いてます!!!!!!
何か書きたいことがある方は是非参加お願いします!!!!!!
『獣道』の紹介
プロゲーマーの梅原大吾がやっている企画に獣道というものがあります。
これは特定のゲームタイトルにおいての最高峰の対決を実現するという企画です。
恐らく獣道を説明する上で一番分かりやすい対決がこれです。
左のウメハラは「世界で最も長く賞金を稼いでいる」としてギネス世界記録に登録されている説明不要のプレイヤーで、"格ゲーの歴史"なんて言われてたりします。日本初のプロゲーマー。
対戦相手のときどは東大生プロゲーマーという肩書を持ち、近年はウメハラを超える実績を持つトッププレイヤー。今の収入はウメハラを超えてるとか言われてます(未確認情報)。日本三人目のプロ格闘ゲーマー。
いわばこの試合は世代交代をかけた対決とも言えます。結果は自分で調べてください。
試合に付随して、各選手へのインタビューや、その周りの人間からの応援コメントのPVなんかも投稿されていたりします。
他にも上述のときど戦においては獣道Ⅰのエンディングで匂わせ演出があったり、エンタメ性の高いイベントと言えます。
Daigo Umehara Presents: Kemonomichi 2 - Daigo vs Tokido PV - YouTube
Daigo Presents Kemonomichi 2 - Interview with SFV Players! - YouTube
https://clips.twitch.tv/WiseInnocentLeopardFUNgineer?tt_content=url&tt_medium=clips_api
他にも獣道では「全一テトリスプレイヤーVS全一を倒した男」や「スト5攻め殺し世界最強VS受け殺し世界最強」のようなとにかくアツい試合が盛り沢山。
詳細を説明すると長くなりすぎてしまうので、詳しくは自分で調べてください。
僕は"トッププレイヤー同士の文脈のぶつかり合い"と解釈しています。
音MAD版『獣道』が観たい!
これを観た自分が思ったのは「音MADでもこれが観たい!」でした。
近年、音MAD作者の名義の持つ意味はどんどん大きくなっているように感じます。
VTuberに対して音MADの名義で作品提供をする人が出てきたのもそうだし、音MAD作者のゲーム大会配信で視聴者が700人も集まるのも中々凄いことだと思います。
団体垢とか複垢の中身を考察するのもある意味その延長線上と言えると思ってます。
であれば、獣道のように音MAD作者の文脈を重視するイベントがあってもいいのではないか?と思いました。
音MAD DREAM MATCHでは例のアレ系コンビ(迫真音MAD部)やDTM系コンビ(スデ2ヲW∧T∧X)みたいな「ありそうでなかった」系も数多く生まれましたが、それをそのまま対戦形式にしてしまうイメージでしょうか。まるでイカゲームの6話ですね。
正直「観たい!」ってだけで具体的なことはあんまり考えていないのですが、それでは記事にならないので、とりあえず過去の対戦型イベントを紹介してみようと思います。
過去の対戦型音MADイベント
- スタジオ対抗戦(詳細)
かつて存在した「スタジオセスジ」と「スタジオインキャラ」による合同企画。*1
共通の素材もしくは曲をテーマとして、同時に音MADを投稿して勝負する企画。
勝敗の基準は再生数・コメント数・マイリスト数。
同じテーマの中でも両団体の取るアプローチの仕方に特色が出ているのが面白い。
例えば「POKELOID」というテーマのお題で当然のようにアニメ素材を使ったり、「モブキャラ」というお題の中で外伝主人公を使うなど、スタジオセスジ側はルールの裏側を突くタイプの人が多いのだと思う。
他にもスタジオセスジ側は初手でマアムさんを投入してるのも何となくマッチとしての戦略性を感じるんですが、深読みですかね。
個人的にはこういう作者の人となりみたいな部分が見える企画の方が好き。
- 音MAD対抗戦(詳細)
スタジオ対抗戦の何年か後に行われた派生企画。かの有名な仲邑飛鳥氏が主催。
参加者が多いからか、スタジオ対抗戦に比べるとマッチの決め方は少し雑に見えなくもない。あいまいみーを「学園アニメ」として扱うのはかなり苦肉の策を感じる。
逆に言うと、今後こんな感じのイベントをやろうとする時はテーマ選定とかにもっと力を入れると良いのかもしれない。
このマッチがとにかくアツい!
blue prem1er氏(通称:F41TH兄貴)は当時ハイペースに高クオリティのストパンMAD(淫夢要素有り)を投稿していた人物で、ひと☆ごみ氏は「全く関係ない素材に淫夢を絡めても良い」というトンデモ文化・一転攻勢の生みの親。
ひと☆ごみ氏はSakura Reflectionを筆頭にストパンMADでも淫夢要素を含むMADを作っていて、F41TH兄貴は明らかにこの人の影響を強く受けていた。*2
その二人が同じストパンの音ゲーMADで対決するのだから興奮しない訳が無い。こういうのがもっと観たいんです。
- YTPMV Soccer(詳細)
余談に近いです。
あんまり詳細は分からないのですが、YTPMVの方では結構日常的?に対戦型のイベントが行われていたようです。今もやってるのかな。
特徴としてはいくつかのラウンドに渡って行われること、相手の素材や曲に合わせて動画を作る必要があるらしい?ことでしょうか。勝敗はYoutubeのコメント機能を使って決めるそうです。
何となく気軽な感じが感じられます。エンタメを提供するよりは交流がメインなのかなと。
「YTP Tennis」なるイベントもあるらしいんですが、これはもっと分からないです…
- 疯山之王、红白音MAD合战(詳細)
これは更なる余談。上以上に詳細が分からなかった…
bilibiliで行われているイベント。素材や曲でテーマを決めているらしい?
- 音MAD対抗戦運営(詳細)
更に更に更に余談。
2010年10月に「第一回音MAD対抗戦」というタグでマスクド・デデデの音MADを大量に投稿したアカウント。
同様に同年12月には第二回の名を冠して銀河最強の戦士の音MADが大量に投稿されています。
生放送アンケートでトーナメント形式で勝敗を決めるとのことですが、どこ発祥の企画なのか不明。
過去対抗戦の振り返り
スタジオ対抗戦は形式としてはYTPMV Soccerに近く、両スタジオ同士の交流が目的だったんじゃないかなぁって気がします。外部に見せるイベントとして意識してなかったけど気付いたら視聴者が盛り上がっていた的な。真意は分からないです。
音MAD対抗戦は参加者を公募していた辺り、最初から視聴者を意識したイベントだったのは間違いないと思います。運営的な組織も存在したらしいですし。
また、どちらの対抗戦も最初は作者非公開で、後に公開という形が取られていたみたいです。
特に音MAD対抗戦では誰が参加しているのかすら分からず、公表は作者に委ねられていたので、結果発表後に「お前参加してたのか!」と判明するという形式。故に未だに誰が作ったのか分かってない動画もあります。
つまり作者よりも作品の方に重きを置いていたという訳ですね。前述のストパン対決も偶然成立したというニュアンスが強く、作者の文脈ありきで決まった訳では無いという。
問題点として、音MAD対抗戦側はテーマの選定があまりにも雑だったんじゃないかと思います。
特に第4試合「学園アニメ」、第7試合「神」辺りが顕著。数字を基準に図るのであれば定義はもっとしっかりしても良かったんじゃないかなぁって思います。
多分各参加者が使いたい素材に合わせてテーマを作ったパターンだと思うんですが、これだとただの同時投稿と大差ないように思います。試合形式にするのであれば必然性が欲しい。
参加者を公募するのであれば「最初に運営からテーマを提示して、参加希望者は自分の好きなテーマの場所に申し込む」みたいな形式を取ったほうが良かったのかもしれない。*3
他にも音MAD対抗戦はイベントの終了が曖昧だったという問題が挙げられます。
現在第11試合までが公開されていますが、未だに終了宣言がありません(多分)。
関連した話として、イベント中には事前に公開されていた投稿予定日時を過ぎても特に連絡が無いということもあったみたいです。(((大百科記事のコメントより)))
推測でしか無いのですが、恐らく参加者を集めてから終了時期を決めてしまったことによって起きている問題じゃないかと思ってます。
つまり最初から「この期間に動画を公開します!ここまでに動画を作れる人だけ参加してね!」という形式にすれば避けられたんじゃないかなぁという。
内部事情がほぼ公開されていないのでイマイチ分かりません。本当に推測です。
どちらのイベントにも共通して言えることとしては、数字を基準にしてしまったことで、工作によって勝敗が付けづらくなってしまうという弱点があります。
実際どちらのイベントでも工作は行われたようです。どういう風に対応したのかは分かりません。
ただ、これは現在の音MADイベントで主流になっている生放送型を採用すれば容易に避けられるのかなという気はします。終了曖昧問題も「生放送の終了を以てイベントも終了」と言えるので便利。
諸々
- 音MADにおいて勝ち負けを作ることの是非
吹奏楽のコンクールなんかがそうだと正にそうだと思うんですが、明確な答えが無い分野においての勝ち負けの判定ってかなり曖昧なものだと思います。
前述の対抗戦においては再生数等の数字が基準にされた訳ですが、これを以て「こちらの方が優れている!」と決めつけるのは言うまでもなく違うと言えます。数字が少ない方の作品が好きな人も全然居て良い。
これについて、個人的には勝ち負けはあくまでその場限りのもので、大事なのはそれを意識した立ち回りとかの方なんじゃないかと思ってます。負けないように頑張るべきだけど、そこがゴールではないというか。
例えば音MAD対抗戦においてひと☆ごみ氏は「配管兄弟を仮想的にしたら惨敗する気がしたから音MAD対抗戦の動画を作り直した」ということを言っていて、対戦型にすることでそういう高め合いみたいな良い循環が生まれたりするんじゃないかとは思っています。*4
少なくても過去の対抗戦系イベントで負けた方の作品を貶める流れは観たことが無いし、音MDMにおいては優勝作品よりも二位の作品の方が10選での得票数は上ってこともありましたね。
「音MADにおいて評価の軸は一つではなく、場所が違えば評価は変わりうる」的な考え方が大事なんだと思います。参加する側にしても見る側にしても。
というかこの意識はネットに何かを出す人は常に持っておくべきなんだろうね!イチイチ周り見ててもしょうがない!
- 作者を意識する風潮についての是非
まずこれに疑問を抱く人はいるだろうし、正直自分も必ずしも良い気はしていないんですが、もうこの風潮は止まらないと思うので受け入れた方が手っ取り早いと思います。
僕たちは圧倒的少数者です。諦めましょう。
それにアイドル的な存在の作者が出てくることは結局は音MAD全体に対してのプラスになると思います。結果的に自分達にも得があると思うので耐えましょう。
- ドリームマッチとの違い
「作者の文脈を重視するイベントならドリームマッチすれば良くない?」とも言われそうなんですが、源泉かけ流しのその作者を味わえるという点では対抗戦の方が優れていると思います。
合作というのは1+1が2になることはほぼ無くて、3や0.5みたいな違う数字の大小を伴うこともあれば、CやΩみたいなそもそものルールの変化も有り得るものだと思っています。
特にドリームマッチは元ネタになった番組企画を考えると後者みたいなルール変化を楽しむものなんじゃないかと感じます。
そういう意味で僕は文字通り1VS1の対戦形式のイベントが観たいと思ってます。
終わりに
僕は「観たい」と言っただけでやる気は一切無いので、この記事を読んで感化された誰かが主催してください。
サーティワンのアイスクリームぐらいなら奢るので是非お願いします。
あと、上でも書いたんですがアドベントカレンダーが全然参加者集まってないので興味有る方は是非お願いします。
*1:このスタジオ○○とはDiscordの個人鯖のような存在。これのパロディで「サークルXimco」という団体も存在した。
*2:この二人はこのイベントの一年前にも同一テーマで二人合作を投稿している
*3:過去には『修造MADニコニコオープン』というイベントでこの形式が取られた
*4:ひと☆ごみ氏の10選コメントより