この記事は音MAD Advent Calendar 2021に参加してます。
突然ですが、皆さんが音MADを作る際に最重要視することは何ですか?
僕は曲と素材の組み合わせです。単に松岡修造と炎属性の曲を合わせるみたいな話だけじゃなくて、雰囲気がマッチしているかどうかとか、曲のメロディと素材の台詞が合ってるかとか、色々な点を考慮します。
もっと言うとここがやりたかっただけだろゾーンがあるととても良い。
最初にお伝えしておきたいのですが、この記事は「人力・手描きに頼った動画はクソ!」みたいなことを言いたい訳ではなく「自分は普段こういう考えを持って動画作ってるよ!」ぐらいのノリです。この記事読んだ後に僕の投稿動画10個ぐらい見てもらえたら何か伝わってくれるんじゃないかなって気はします。
個人的に、"音MADの点数"はこういう感じで考えてます。
一番配点が高いのが組み合わせで、セリフ合わせの巧さや展開力を始めとするような、いざ制作を始めてから必要になる技術力みたいなものは追加点を獲得する為のものである、という考え方です。
技術はあくまでも組み合わせで取り切れない点数を補うためのものであって、最初からそれありきで考えてしまうのは良くないと個人的には思っています。
この技術という言葉の中には人力や手描き等も含まれると思うのですが、僕はこれらの表現はあんまり好きじゃないです。合作とかでその手のパートが大半だったら悲しいなぁぐらいの好感度。
自分が動画を作る際にも出来るだけ使わないようにしてます。出来ないし。
(人力は範囲が少し曖昧ですが、ここでは「元素材にないフレーズを無理矢理作り出して曲の音程に合わせて歌わせる手法」を想定しています)
これらの技術、何が好きじゃないかというと表現として強すぎることです。
その技術を用いることで極論どんなことでも実現出来てしまう。つまり組み合わせとして良くないものであっても、ある程度の形になってしまうということです。ここでキーワード:「音MADは制約」
もちろんメリットはありますが、今回は「それに頼らない音MADの魅力」について触れていきたいです。
例えば、自分がラグトレインの音MADを作る際にはMVの特徴的な動き(↑こんなん)を再現できるような素材を使いたいと思っています。具体的には跳ねる動きのあるドラバトとかカビキラーとかですかね。
ラグトレインMADだとこれとか好きです。ラグトレイン元MVの少し不思議な感じとSUSHI食べたいMVの不思議な絵柄との親和性が凄く高い。
あとこれ狙ってたのか分からないですけど、横に人が並ぶところがどっちも4人なのがちょうど良いですね。
自然派音MADの魅力
音MADが他の創作と異なるポイントの一つに「制約がある」ことが挙げられると思ってます。
例えば、基本的に元素材に無い台詞は使えないし、元素材にない動きは映像に使えません。
そこに一期一会性みたいなものがあると僕は思っていて、それが強く表れている音MADには魅力を感じます。
今回はいくつかそういう動画を紹介することで皆さんにもその魅力を再確認して頂ければと思います。
・音声編
一番分かりやすいと思います。曲の歌詞と素材の台詞が一致してたり的なアレ。
・映像編
たまたま元ネタの映像と素材が同じ動きをしてるとか、歌詞とリンクした動きの素材を映像で使ってみるとか、そういうのがあると凄く楽しいです。
これは音MADの「素材をそのまま使っても許される文化」ととても相性が良いものだと思っています。2つ例を挙げてみます。
・番外編
なんかちょっと本題と逸れるけど好きなやつ。近いものはあると思う。
人力・手描きの好きなところ
嫌いなことばかり書いて終わるのも嫌なので、個人的に良いなーって思ってるところも紹介してみます。
僕が自作の動画でそこらへんの表現使ってたらこれらが理由になるんだと思います。
・たくさんの動画が上がる
前述したようにこれらの表現は非常に強力なので、どんな組み合わせでも成立させうるパワーがあると思います。極論無機物素材だろうが人力は出来るし動かせますからね。
前述のラグトレインとかまさにこれ。基本的に動画はたくさんあった方が楽しい。
音MADにおいて曲が流行るといつもの定番素材(Z会とか修造みたいな)はもちろん、その曲との相性のみで考えられた"普段は見かけないマイナー気味素材"の音MADが出てきやすくなるので、必然的にベスト組み合わせ動画も増えるんですよね。
・簡単に盛り上がりどころが作れる
全編で人力や手描きの表現を用いることって多分そんなに無くて、基本的には途中まで普通の音MAD(?)→サビで手描きや人力開放!みたいな流れが多いと思います。
この展開って皆が知らない未知のエリア♂→みんな大好きなお約束展開!に繋がって凄く安心感あるんですよね。王道ではあるけど飽きない。
ヒプノシスマイクのDIvision Battle Anthemのサビ部分とかめちゃくちゃアガらん?それと同じだと思う。逆に聴いたことない人は聴いてください。昨今の音MAD好きな人なら多分大好きですこれ。
・その表現が一番安牌になることが多い
上2つと被るかも。あと良いところではないかも。
上で上げたような構成(サビ人力等)が基本になっている以上、それと違うことをするば違和感を覚えるのはまぁ自然なことだと思います。それを良い方向に働かせられるかは作者の実力次第。
逆にテンプレに近い内容ならセリフ合わせの技術とか無くてもある程度違和感無く見れる節あると思う。
ただもちろんテンプレを守ってなくても面白い動画はたくさんあって、そうではない動画との違いを考えると、テンプレと違う表現にするならばある程度の理由が欲しい!みたいな感じなのかなって思います。
・作業が楽しい
普段の音MAD制作ではやらない作業なので、新鮮味があって作業のしがいがあるなって思ってます。
音MADのために一見音MADとは関係なさそうなことをするのってめちゃくちゃ楽しいですよね。
音MADなんて楽しいから作ってるんだから自分が楽しいと思うように好き勝手やればいいと思う。苦しくなったら手止めちゃえ。
あとがき
何だかんだ言ったけど、どっちもかなり優秀な表現だし全然使っていいと思います。完全に使わないのは縛りプレイに近いです。弾幕STGのボムみたいなモンだと個人的には思ってます。
音MADの本質は曲と素材があって楽しければそれで良いんだと思います。好きなキャラクターが好きな曲に合わせて歌ってたらそれだけで俺は嬉しい。
あと数もたくさん上がってるとそれだけで楽しい。ネトフリ感覚でたくさんの動画を見れる。
明日以降も愉快な記事がたくさん上がるので是非御覧ください。
音MAD Advent Calendar、12日目担当のkaikityouでした。