読んだ入間作品の感想軽く書く

たった今クロクロクロックを読み終えました。物語の最終日と同じ6月4日に読み終えたの結構感慨深いですね。

そろそろクロスオーバーネタも大体理解出来るぐらいには入間作品読んだのでメモがてら感想書きます。シリーズ物は現時点での最終巻まで読み終わってるやつだけ。

 

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん

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デビュー作。実写映画化したよ。

叙述トリックや犯人達の常軌を逸した犯行動機等、後の入間作品にも通じる作風が一番現れていると思います。正直読んでいる途中は話が殆ど読めなくて感情移入は全く出来ないので、完全な第三者視点で物語に翻弄されるのを楽しむのが良いのだと思います。

各巻のサブタイトルや本編にも含まれている秀逸な表現が頭に残ります。いくつか抜粋すると「嘘つきの嘘は本当」とか「日常の価値は非凡」等。

本編終了のだいぶ後に出た11巻の複雑さは入間作品でも随一なんじゃないかと思います。

電波女と青春男

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アニメ化済み。布団に籠ってる引き篭もり美少女と普通の男子高校生の話。

人に「入間人間って誰?」って聞かれた時に一番手っ取り早いやつ。多分アニメ本編観たこと無い人でも「Os-宇宙人」と藤和エリオのことは知っていると思う。

一巻につき一つのエピソードが進んでいく感じで、何となく各巻に主役となる人物がいるような気がします。僕は女々さん(エリオの母)がそのポジションになってる二巻辺りが凄く好きです。「布団に包まって世間から逃げるエリオの自立を各キャラクターが色々な形で手助けする」というのが大体のシリーズの流れなのですが、その中での女々さんの働きは「世間の母親はこういうことを考えなければいけないのか」と思わず考えさせられてしまうものでした。

正直分かりやすくはない作品だなぁと思います。読むときはそれなりに気合入れなきゃいけない印象。

・花咲太郎シリーズ

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メディアワークスロリコンの名探偵が閃かない話。

入間人間がミステリー小説を書くとこうなる」という感じの説明が一番分かりやすい気がします。他のミステリーあんまり読んだことないけど。

コナン君や金田一少年みたいな閃きは無く、地図と睨めっこしながら自転車に乗って猫や犬を探す描写が作品性を大きく物語っているように思いますが、本物の探偵って実際こんなもんじゃないかなと妙な説得力を感じます。ただ話を読みながら自分が一緒に推理していくような要素は期待しない方が良いと思います。

主人公の花咲太郎が自作品以上に色んなところに出張してて何となくスマブラにおけるキャプテンファルコンを感じます。探偵って職業便利そうだもんなぁ。

・六百六十円の事情

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カツ丼から始まる群像劇。これ読み終わった3日後ぐらいに池袋にカツ丼食いに出かけました。

これ以前の入間作品が現実には絶対に存在しないであろうキャラクター達がアレコレやるものばかりなので少し感情移入しにくい内容となっていたのに対し、この作品は全員が特別な技能も持っている訳ではなく、日常と地続きになっているのが特徴的だと思います。

そういう事情もあるのか分かりませんが、岐阜駅周辺の描写も入間作品随一だと思います。行ったことがある人間ならホントに頭の中に地図が浮かぶ感じ。

僕は優れた人間では無いので、こういう等身大のダメ人間がたくさん出てくる作品は凄く勇気を貰えて好きです。

物語の締め方もとても理想的で、個人的に入間作品の中でもかなり好きな部類。

・クロクロクロック

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名古屋に六丁の拳銃(一丁だけ偽物)がバラまかれる群像劇。さっき読み終わったばっかりなので記憶が新鮮。

それぞれ独立して動いているキャラクター達の些細な行動が別のキャラクターに思わぬ影響を及ぼす、まさに群像劇といった作品。物凄く物騒な題材を扱っているのに、今後を期待させてしまうような、どこかほっこりする終わり方をしたなぁという印象。

「スーパー入間大戦」と言わんばかりのクロスオーバー要素が楽しい。逆に入間作品を殆ど触れていない人にとっては知らない上に無駄に濃いキャラクターがどんどん出てきて絶対ついていけないだろうなぁと思う。

個人的には冴えカノの深崎暮人さんがキャラデザを担当してるのも高ポイント。

最終巻のあとがき、お前…

・たったひとつの、ねがい。

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僕は入間先生は性格が悪いと思っているのですが、これは最上級だと思います。一番最初のどんでん返しが衝撃的すぎて一回読むの中断した。

中身については何も言いませんが、もしかしたらこの作品があだしまのイラストをのん先生に依頼することに繋がったのかもなぁと考えると感慨深さはあります。

安達としまむら

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9巻そろそろ出るしアニメも始まるしで今一番熱いやつだと思います。百合クラスタの中でバイブル的な扱いをされている気がする。

僕が一番最初に出会った入間作品はこれです。フォロワーの百合クラスタからオススメされました。これを最新刊まで読み終わって少しでもこの作品に近い成分を求めた時に電波女とかみーまーに手を出したのが始まりでした。

そんな経緯もあって、個人的には入間作品で一番好きです。入間先生の世間の真ん中からは少しだけ外れた考え方が、世間の真ん中から少しだけ外れたキャラクター達にマッチしていて凄く勇気をくれる作品だと思います。

このシリーズは便宜上の最終回とされる話が既に存在しているのですが、その内容が本当に良い。一番好き。自分の人生の参考にしてる。正直百合とか関係無く読んで欲しい。

・少女妄想中。

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百合。「やがて君になる」の仲谷先生がイラスト担当。これが佐伯沙弥香に繋がった可能性もあるのかも。

短編集だけど一応各篇に繋がりはあるよって感じ。僕の好みは叔母篇。表紙にも映ってるやつですね。

この叔母があだしまの樽見と並ぶ負けヒロインなのですが、この叔母さんは作品内で負けヒロインになるまでの過程をかなり丁寧に書き込まれている印象。

・海のカナリア

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最新作。二重人格の少女の精神世界で色々やる話。もう設定から入間人間って感じで最高。

多分内容的にはSFに近いんだと思う。かなり複雑な話であんまり覚えてなくて、正直書けることがそんなに無い… どう足掻いても自分一人じゃ咀嚼しきれなそうだからもっと考察記事増えて欲しいなぁ。