【布教?】『蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』の好きなところを書く2 in 20231015

ここ4か月ぐらい、マジでずっとこのコンテンツのことばっかり考えていた気がしますね。

という訳で前回の続きです!

前回の記事から約4か月経って、当時と今だと色々好きな部分が変わったり増えたりしたなぁと思ったので、改めて今の気持ちとして文章を書こうと思います!

「今はこう思ってるけど後で考えが変わったりしそうだなぁ」という気持ちでタイトルに日付を入れていたのですが大正解だったと思います。

 

前回より深い部分だったり、個人的な意見の要素が大きくなると思います。

既にある程度蓮ノ空が好きな人向けと言えるのかもしれない。

 

また、活動記録(ストーリー)およびカードボイスに関する軽微なネタバレを含むことになると思います!

 

ボイスメッセージ

個人的に核となるメインストーリーと同等ぐらいに重要だと考えている概念として、1つのカードにつき3種類用意されているボイスメッセージがあります。

それぞれカードの入手時、特訓1回目、特訓2回目に聴くことが出来ます。

今までは入手時と特訓1回目のボイスは後から聴きなおすことが出来なかったのですが、最近のアップデートでついに再生機能が追加されました!

 

カードによってまちまちですが比較的長めの尺になっていることが多く、特に長いものだと1分を超えてくるものもあります。

このボイス、カードのイラストに描かれているアイテムに関連したような日常的なものもあれば、キャラクターの深層心理に迫るようなパーソナリティが色濃く現れているものも少なくなかったりします。

他にもメインストーリーの内容を更に深掘りするような内容のものもあり、自分自身ストーリーを読むだけだと「あれ?なんでこうなってるんだ?」と感じたものがカードの方で深掘りされていた経験も何度もあります。あの時の掌で踊らされている感は堪らないですね。

 

あと個人的に重要だと思っている点なんですが、他のソシャゲのような「コミュ」とか「サブストーリー」ではないので、基本的にキャラクターが一人称で喋ることになります。

テキストも存在していないで本当に音だけで読まされるので、受け取り方はかなり個人に委ねられるんじゃないかと思います。

 

色々な種類のボイスを聴いていくと「そのキャラクターがよく使う語彙」だったり「ストーリー中では色濃く描かれてはいないけど好きなもの」みたいな個性をなんとなく掴むことが出来ると思います。

例えば綴理先輩は比喩表現で水に関連した語彙をよく使ったりとか、梢先輩は猫に対しては強い執着心を持っていることが感じられたりします。さやかちゃんは全体的に話が長めです。

中でも綴理先輩のボイスは全体的にかなり個性が現れていてオススメです。夕霧綴理のような、ともすれば「不思議ちゃん」として記号的に扱われかねないキャラクターの感情を内側から覗けるのって結構貴重なことだと思ってて、それ自体が蓮ノ空らしさの一つと言っても過言ではないように思っています。

夕霧綴理の実在性、蓮ノ空のキャラクターの中でも随一だと思います。

 

現実のカレンダーと連動して話が進んでいくというコンセプトを持つ蓮ノ空らしく、このボイスもカードの実装時期やイラストで描かれているイベントによっておおよその時系列を想像することが出来ます。

当然のことながら時間が進むことによる心情や環境の変化はボイスにも現れていて、特に夕霧綴理のUR[チェリー♬ピクニック]SR[薫風の調べ]を経た後に聴くUR[DEEPENSS]のメッセージは蓮ノ空の物語の中でも最上級のカタルシスを感じられるものだと思っています。気になる人はなんとかして聴いてみてください。

いずれのボイスもほぼリアルタイムで聴くことが出来ていた自分としてはDEEPNESSの排出時ボイスを聴いたの感慨深さは尋常ではなかったですね。ずっと僕の心を動かし続けている蓮ノ空ですが、一番心が動いたのはあの瞬間だった気がします。

 

個人的にはこのボイスを聴くのと聴かないのでは蓮ノ空から得られる体験は全然違うものになってくると考えています。ディティールへの理解が違いすぎる。

なんなら僕はリンクラのメインコンテンツはボイスを聴くことだと思ってすらいます。蓮ノ空にとって大事な「実在性」を強く補強するのはこの部分。

僕は『serial experiments lain』の断片的な記録から繋がった物語を想像していくゲーム性がかなり大好きだったので自然と受け入れられたというのはあるかも。

 

僕は自分のゲーム内で聴かないとなんとなく他人事に感じてしまって印象に残らないと感じているので、出来る限りYouTubeに上がっている動画等ではなく自前でカードを入手して聴くようにしています。

ただこれ、ハッキリ言って長続きするとは思えないので抵抗が無い方は「推し」的な概念を採用して範囲を定めた方が身の為だとは思います!

ちなみに僕はその概念に抵抗があるので出来るだけ今の状態を続けていきたいですね!低コスパ人間!

 

余談ですが、蓮ノ空の楽曲は作中において誰が作曲や作詞を担当したのかが明確にされているパターンが多く、そのヒントがボイスに隠されていることも少なくないです。

他の方による記事なのですが、かなり力が入っているので是非!

配信活動

前回の記事でも少し触れたのですが、蓮ノ空の大きな特徴の一つにアプリ内の独自プラットフォームを介して行われる配信活動の存在があります。

毎週だいたい月曜日、木曜日、土曜日の週三回行われています。内容は雑談配信を主として、実在の商品名だったり作品名も登場したりすることもあって、キャラクターが実際に我々と同じ世界の中に生きているような感覚を高めてくれる媒体の一つです。

時々、現在進行形のストーリーとの連動性を重視した配信なんかもやってたりします。次の日に更新されるストーリーで初登場するキャラクターが予告的に配信内で登場したりみたいな。

 

この生配信の特筆するべきこととして、ストーリーで展開されている世界観やキャラクター性がそのまま地続きで繋がっているということが挙げられます。

 

この配信の中では「今皆にお披露目している曲」として各ユニット3曲ずつが紹介されるのですが、ここで紹介される曲は全て毎月末に行われる生放送ライブ「Fes×Live」で披露されたことのある曲です(6/8時点)。

神視点で見た際にはCDのカップリング曲やストーリー中のライブで披露された曲が他に存在していたのですが、それは「リスナーである我々が観測出来ない、もしくはまだ作品内世界に存在しない曲」として扱われていることになります。

ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ (らぶらいぶはすのそらじょがくいんすくーるあいどるくらぶ)とは【ピクシブ百科事典】

上はpixivの大百科内での記述なんですが分かりやすく纏まっていると思います。

別に公式がこう名言している訳ではなくて、キャラクター達のロールプレイを守る為に我々リスナー側が最大限努力するとこうなるよね、という話です。

まだ我々に披露していない曲の存在を示唆するようなコメントをすると「なんで君たちがその曲を知っているの?」ということになる訳ですね。

 

細かいことではありますが、授業の終わった後の夜だったり夏休み中であっても制服で配信していることについてもきちんと説明がされていたりします。

モデルの都合とかで片づけてしまわずにきちんと設定として盛り込んでくるの偉いよなって思ってます。

 

そんな力の入った蓮ノ空の配信ですが、その中でもいくつか特にオススメしたいものをご紹介したいと思います。

 

【2023/8/12】合宿ラジオ


ストーリーの中で海に合宿に行く回があるのですが、その夜に綴理先輩が梢先輩の別荘から音声のみという形で行った配信。いわゆるストーリー連動系です。

綴理先輩の部屋に代わる代わるスクールアイドルクラブのメンバーがやってくる楽しい配信です。なんとなくいつもより声も高くハイテンポで話す綴理先輩が可愛い。

音声だけということもあって想像力を搔き立てられるのがお気に入りポイント。ベッドの上で寝転がって配信している綴理先輩の姿であったりとか、その隣に座る梢先輩であったりとか。

この合宿にはクラブ復帰前の藤島慈も事情により一緒に同行しているのですが、梢先輩が他メンバーに声をかけに行った際に慈だけお風呂に入っていた為に慈一人だけ配信中であることを知らずに部屋に入ってくるのが面白い。

普段慈が配信やストーリー中で見せてくれる姿とはまた違って友人との日常的な絡みという感じが溢れ出ていてとても良いです。

 

あとこの配信についての話だとちょっとメタい部分についても話したいことがあって、この時期、日野下花帆役の楡井希実さんが長いこと体調不良で、この回についても花帆だけは参加していないんですね。

そのことについて配信内だと「花帆は疲れて寝てしまった」という体で話が進行していて、あくまでもキャラクター側の都合として処理されています。

こういう感じで世界観の破綻みたいな部分についてのケアをしっかりしてくるのも蓮ノ空は特徴的だと思います。

Twitterに上がってる4コマ漫画の中でもそういうことがありました。1話の中で「週に1本のみ」とされていたバスに乗っているシーンが何回もあることについてのケアです。

https://twitter.com/hasunosora_SIC/status/1677150442936229888

 

【2023/9/7】本のお話がした〜い!


読書の好きな日野下花帆が好きな本を紹介する配信。

実在の作品名がバンバン出てきます。紹介される作品は『ダレンシャン』『クロニクル 千古の闇』『シティーハンター』『創竜伝』『心霊探偵八雲』『レディ・ガンナーの冒険』。他にも話の流れやコメントを読む流れで出てくる作品名がいくつかあります。

花帆は別の配信で『ハリーポッター』を始めとするファンタジー作品が好きであるということは言及していて、その流れで出てくる作品としてしっくり来るものも多いですね。『ダレンシャン』は小学校の図書館でハリポタと一緒に並んでることも多いし、クロニクルも海外発の児童向け小説という点で同じカテゴリと呼べそうです。

 

上で名前が出てきた作品群の中でも特に『シティーハンター』は異質に見えると思うのですが、配信内では花帆がどのような経緯でこの作品に出会ったのかも語られていて、花帆の母親たちがテレビで観ていたのを横で見ているうちに好きになったそうです。

創竜伝』についても似たような経緯で、花帆が学校の図書館で借りた『銀河英雄伝説』を読んでいるのを見た母親が作者繋がりでプレゼントしてくれたそうです。家に全巻あったのだとか。

これらのエピソード、花帆の家族仲が良いことが感じられて大好き。花帆は母親の勧めで蓮ノ空に入学するのですが、それについての会話が描かれたストーリーの一場面も言葉だと何とも形容しがたい愛に満ち溢れていて大好きです。僕は蓮ノ空はメインとなる6人だけではなくてそれまで関わってきた全ての人々が居て成立する物語だと思っています。綴理先輩以外の5人は何らかの形で家族の話が出てきています。

また、花帆は幼少期には身体が弱くて家の中で遊ぶことが多かったと劇中で語られているのですが、そんな花帆が読書好きであることもそもそも繋がっていると思う。花帆に対して少し過保護な日野下両親が家に居ても退屈しないように本をたくさん買ってきてくれたんだと思うと心が温まる。

 

花帆の読書絡みの話だと僕は他にも好きなエピソードがありまして、それは「【2023/4/23】日野下花帆の個人配信!」の中でハリーポッターについて語る部分です。

一作目『賢者の石』の冒頭で「ウィンガーディアム・レヴィオーサ」の呪文を上手く使えなかったロンが後にその呪文を使ってハーマイオニーの危機を救うこと、そして二作目『秘密の部屋』で何気なく同じ呪文を使うことに対して「出来なかったことも出来るようになるんだなぁ」と感動を覚えたエピソードが語られます。

『秘密の部屋』を見てるときに"ロンがウィンガーディアム・レヴィオーサを何気なく使う"ということに感情が動くの、相当に感性の豊かな方だと思うんですよね。少なくても僕は言われるまで意識すらしなかった。

 

また、この配信と直接関係のあるものではないんですが、日野下花帆は別の配信で二回ほど石川県立図書館について言及していたことがあります。

一つは「【2023/7/24】蓮ノ空1年生の会!」です。もう片方は別の配信のAfterなので聴ける方はアプリ内で聴いてみてください…(多分6/8配信のAfterだったと思う)

この石川県立図書館という施設は2022年にオープンしたばかりの大きい図書館で、まさにハリーポッターに出てくるホグワーツの図書館のような場所。僕はここを花帆が痛く気に入っているのってかなりの納得感があるんですよね。

本当に全部が繋がっていると思う。凄い。

 

そしてこの配信、蓮ノ空の個人配信の中で最長の29分!(次点は加入前の藤島慈がYoutubeLiveで配信していた25分)。

「おしゃべりが好き」な花帆が好きなものの話をした配信で最長時間を更新しているのメチャクチャ良い…

そして「誰かの話を聞くこと」が好きな綴理先輩と花帆が相性良いのも説得力がある。本当に本当に全部が繋がっていると思う。凄すぎ。

 

僕自身、この配信は全配信の中でもトップクラスに好きです。好きな人の好きな話を聞くのって幸せじゃないですか。

この配信に限らず花帆の配信はひたすら楽しそうな感じがあって全部オススメです。

 

【2023/5/13】お悩み相談室

乙宗梢先輩が視聴者の悩みに答えていく配信。

地味に梢先輩個人だと初配信です。

 

僕はこの配信での梢先輩の回答はどれも「誠実である」と感じていて、流しの回答ではないという印象があります。

「自分に才能が無くて困っている」という話に対しての「自分はバレエは得意ではないと感じているが、一万時間の法則に当てはまっているからバレエが得意であると答えるようにしている」という返答であるとか。

「テストに向けての勉強法」についての「自分は苦手なことを重点的に勉強することで平均点を上げる」みたいな。

相手にその場しのぎの感情的な安らぎを与えるのではなく、自分ならばどうであるかということを理論付きで参考例として与えるのがとてもそう感じてます。

個人的に梢先輩ってそういうタイプだと思っているのでかなり納得感があります。この人はどちらかというと論理で戦う人だと思う。

 

また、今となっては梢先輩のお家芸みたいになっている配信終了時の一連のムーブもここが初回で、ただ単にオモシロとして捉えることも出来るんですけど僕は少しだけ違うことも考えていたりします。

梢先輩が「苦手」のことを「得意になる途中」として言い換えるシーンがあるんですが、逆に言えば梢先輩が「得意になる途中」と評したものに関しては要領の悪さみたいなものは自覚をしていて、それに対して努力を怠っていないという見方も出来る訳です。

UR[チェリー♬ピクニック]のボイスの中では付箋を付けて読み込んだスマホの説明書を見せつけてきたりして、きちんと向き合って努力している様子が見られます。

実際梢先輩の個人配信では毎回何かしらのトラブルは発生するのですが、そのトラブルの種類というのは毎回変わっていて、苦手をそのまま苦手としないで一つずつ前に進もうとする梢先輩の一生懸命な様子が感じられます。だから僕はそこをただのオモシロとは扱いたくないなぁという気持ちがちょっとあります。

 

そして本人が一貫して「得意」と主張し続けているお絵描きについては初登場から現在に至るまで全く成長が見られないんですよ。

 

【2023/5/17】めぐ党のみんな、会いに来たよ


まだ物語に本格参入する前の藤島慈がYouTubeで初めて行った個人配信。

クラブに復帰した今はアプリ内のプラットフォームで普通に配信が行われるのですが、当時は普段のスクールアイドルクラブの配信が止まるテスト期間中に慈が別枠として配信を行うというのがお決まりの流れでした。

今回ご紹介したのは一学期中間テストで、YouTubeでは他にもう一回一学期期末テストのタイミングでも慈が配信を行っています。

慈の個人配信は全体的に蓮ノ空でも随一のクオリティを誇っていると思います。

 

これも言語化がかなり難しいので実際に見て頂くのが一番だと思うんですが、あまりにも実在の配信者なんですよこの子。多分記号的でキャラクターチックな特徴を過剰に表現してこないのが肝なのだと思っています。

VTuberガチ恋的な部分を2.5次元的な中の人ベースではなくてキャラクターベースでやってきていて相当凄い。自分が可愛いことを自覚しているキャラクターが本気でそれを武器として使ってきてドキドキが止まらない!

 

個人的にはこの配信がスクールアイドルクラブとは別軸で動いていたっていうのは蓮ノ空全体のストーリーを見た時に結構大事なことだと思っています。

どうしてもストーリー上でメインとして描かれるのは作品名にも名を冠するスクールアイドルクラブにその時点で所属しているキャラクター達になってしまうのですが、我々に見える形で描かれていないだけで裏側には様々な物語があるのが当然のことで、そこに至るまで異なる物語を歩んできた6人が偶然交わった場所がスクールアイドルクラブである、という風に考えています。

関係性や脚本ベースで動いているのではない一人一人の人間が別々の歩みをしてきたからこそ出る深みは蓮ノ空にとって重要な部分だと思っています。全員が主人公の群像劇。

そういうことを考えた時に、クラブの活動とは関係なく活動していた藤島慈がクラブの活動に合流してくるっていう構図が僕は好きです。唐突な存在ではないからこその色々な納得があるという印象です。

 

各情報が断片的である

この記事において最も主観が入る部分はここです!

 

前提として、蓮ノ空においてのあらゆる発信は基本的に断片的なものです。

ストーリーだったり、配信だったり、カードのボイスだったり。

流石に一番軸となるのはストーリーで、配信やカードのボイスは基本的には補足やキャラクターのパーソナルな部分の深掘りに徹しています。

他のソシャゲでもカードごとに別々のコミュが設定されていることが殆どですが、それぞれが統一された具体的な時系列を伴っていることだったり、キャラクター自身が配信内で自身の体験として各エピソードを語る等、蓮ノ空のそういう部分は他の作品よりも更に一本太い軸が通っているという感覚があります。

 

そして僕はそれらの情報が統合されたものとしてはなく、別々のタイミングで出てくることに価値を感じています。

答えを直接渡してこない感じのイメージです。何を言っても否定されないというニュアンスが僕の中で強い。もしかしたら公式も意図していないけど偶然繋がっているように見えるというパターンもあるのだろうし。

人によって受け取り方がかなり変わってくる作品なんじゃないかと思っています。僕が蓮ノ空において最も好きな部分であるとも言えると思います。

そして二次創作をやる人間ってそういう事象同士の繋がりを見出すのがかなり好きな人種だと思うので、そういう意味でこれは僕達向けのコンテンツだと思っています。

 

例えばなんですけど、綴理先輩ってFes×Liveにおいてステージを出ていく際に深いお辞儀をすることが多いんですね。

他のメンバーはしないことが多く、したとしても少し頭を下げる程度。少なくてもここまで深くお辞儀をしたことがあるのは綴理先輩のみ。そのことについて他メンバーから触れられたことは多分ないはず。

 

これ、僕は観客に対してのお辞儀というよりはステージに対して向けられているものだと解釈してます。

綴理先輩のカードのボイスを聴いていくと物に対しても人と同じような接し方をしているようなものが複数あります。ルービックキューブだったり100円玉だったり。

SR[春色ニューデイズ]ではドンピシャでステージに対して「またここでライブをやるね」と約束する台詞もあります。

そもそも観客に対しての敬意を表する意味でのお辞儀であれば部長の梢先輩がしている方がしっくり来ると思う。

 

で、綴理先輩が人だけではなくて物に対しても敬意を払う理由ってシンプルに寂しがりだからだと思ってます。

ストーリーの中でも自分の元から離れていきそうになるさやかに対して縋るような素振りを見せたり、SR[雨と紫陽花に唄へば]では「僕を一人にしないでください」という台詞も飛び出したりします。

更に深い話なんですが、綴理先輩ってメンバーの中で唯一家族の存在が一切示唆されていないんですよね。ストーリー中で家が出てきた以上は最悪の事態は起きていないんだろうけど、綴理先輩の過剰に思えるぐらいの寂しがりっぷりとか見てると幼少期に何かあったんじゃないかな~みたいなことは思っちゃう。

僕はこんな感じのことをずっと考えてます。

 

あと個人的に気に入っているのはカードのスキルデザインから物語を考えることです。

リンクラのメインコンテンツは音楽に合わせてカードを使っていくゲームで、それぞれのカードはカードごとに固有のスキルや特性を持ちます。

重要なこととして、各キャラクターにはそれぞれ持つスキルの種類に傾向があります。

例えば花帆ならハートを獲得できるスキル、綴理ならボルテージアップ、慈ならメンタル回復など。

ストーリー内のイベントに関連するカードだとどことなくそれを意識したかのような効果になっていることが多いです。

 

直近で追加された二年生組のカード群なんかはかなり露骨だし、実際話題にもなっていたような気がします。

全部強力な効果と共に何らかのデメリット効果を持っており何らかの意図を感じます。

関係ないけど「○○の舞踏会」というカード名の「○○」に入る部分が各ユニットの在り方を表しているようでかなり好きです。

 

藤島慈がクラブに復帰するタイミングで追加されたカードです。

初期状態だと膨大なコストがかかってしまうのですが、手札にメンタル回復効果を持つカードがあるとその分だけコストを減らすことが出来る特性を持っています。

メンタル回復効果は慈が持つことが多いので、過去の慈のカードが活きることになる特性です。

基本的にこのゲームではメンタル回復効果があまり必要にはならない為に慈のカードは手札の圧迫になりがちだったのですが、このカードの登場のおかげで過去のカードにも価値が生まれたと言えます。

 

藤島慈は1年生の時に事故が原因でイップスになり、約1年間クラブ活動から離れることになります。

イップスの治療方法って色々あるみたいなんですけど、僕はテニプリ手塚国光が言っていた「練習を積み重ねて自分の自信に繋げる」というのがかなり印象に残っています。

ってことを考えた時にこのカードの特性って過去の自分の積み重ねによって背中を押されている感じがあって好きです。

 

で、この効果を最大限に活かすためには同じタイミングで新登場したUR[夏めきペイン]大沢瑠璃乃の手札上限解放効果がかなり重要になってくる訳です。

個人的なイメージとしては慈の今までの積み重ねを一番よく見てきた瑠璃乃が慈本人にそれを見せつけるような感覚があります。

 

書いてて思ったけど僕はこういうのをキチンと創作に落とし込んだ方が良いのでは?

 

諸々

・キャラクター性が深い

個人的には歴代ラブライブシリーズと蓮ノ空が大きく違う部分はここだと思う。

例えば今までのラブライブシリーズって善子の「堕天使」とか、すみれの「ギャラクシー!」みたいな分かりやすい個性とか口癖があるのが多数派で、ライブの時の挨拶でもテンプレート的に盛り込まれていることがありました。

その点、蓮ノ空ってそういう一言でキャラクターを説明出来る記号的な特徴があんまり存在しないように思っています。例えば梢先輩を「筋トレ」とか「機械が苦手」の一言で記号化するのって多くの人にとってはあんまり腑に落ちないんじゃないかと。

目立つ部分はあるかもしれないけど○○系スクールアイドルには出来ないんですよね。各々が等身大の一人の人間として生きていて、だからこそ何が起こるか予想が全く出来ず心を奪われる訳です。

 

ルリちゃんはちょっとキャラクター的な個性の部分が強めですね… 今後の掘り下げに期待してます。

 

・プレイヤーが世界の中に存在しない

「壁になって会話を見守る」とか言われるやつ。キャラクター達は自分達で勝手に前に進むし、会話中に選択肢が出てくることも一切ない。

生配信を観ている時はキャラクター達に対して干渉出来る唯一のタイミングにはなりますが、画面の向こう側の存在でしかないので明確に壁があるんですよね。しかも一人一人に対してではなくてファン集団として扱われます。

視点の差が明確であるというのはこの作品において結構重要な意味を持っていると思っています。ボイス内の自分一人の時の姿、配信のようなファンの我々に対して見せる姿、ストーリー内のスクールアイドルクラブのメンバーと一緒にいる姿の違いに観察してみたりすると面白いと思います。

SR[夏めきペイン]乙宗梢のカードはそれがかなり活きているボイスであると言えます。あと慈は全体的にそういうことを意識した立ち回りが上手いと思っていて、他のメンバーよりもちょっとだけ大人であると感じています。

 

所感

前回「このコンテンツにずっとハマってるとは思えない」とか言ってたんですけど、まだハマってます。ただ当時とは少しコンテンツの楽しみ方が変わったのは間違いないかも。

生放送はそこまで熱心に追わなくなってしまったかも。当時は絶対毎回欠かさずに見てたんですけど、今はギフトだけ送ってアーカイブを聴いていないやつも少し溜まってますね。

今は専らボイスにお熱です。秋カードのボイスが全体的にキャラクター達の成長だったり変化を感じさせてくれるような内容になっていてかなり感慨深いです。子育てをしている時ってこんな感じなのかもなって思いました。

 

蓮ノ空にここまでハマっているのって多分僕が歴代で好きだった色々な作品の要素をほのかに感じられることも理由なんだろうなって思ってます。

刹那的な一瞬を閉じ込めたような作品性は『リズと青い鳥』だし、毎月の月末にボス戦が来るような感覚は『ペルソナ3』。断片的な物語を繋げていくような仕組みは『serial experiments lain』や『じんるいのみなさまへ』のロッカーの日記を思わせます。

あと配信の話題で自分が知っている作品名が飛び出してきたりとか、自分の好きなイラストレーターだったり作家だったりがファンアートを書いていたり推薦文を書いていたりみたいな。

今までオタクとして生きてきた人生がここに全部集まっているような感覚があります。

走馬灯を観ているような感覚に陥るんですよね。蓮ノ空が終わった時、その命は終わってしまう。

 

多分まだ書けることはあるんですけど、また長文になってしまったのでここで締めます!

流石にこの記事の第三弾はない気がする!曲とかストーリーの感想記事は全然書きうるだろうけど!